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的・継続的に当館を利用して広く開かれた活動を行い、積極的に相互の交流を深めるグループを申請により認定したもので、現在約65グループある。そのほぼ全てが、開館直後に結成された登録グループの連絡組織である広島市青年団体連絡会議(広青連)に加盟している。この広青連はグループの利用調整のほか、喫茶コーナー「もぐら」の運営、駐車スペースの管理、相互交流や社会貢献を目的とした事業の企画・運営など、多様な活動を行っている。グループ間の交流促進や活動の高度化・社会化を図る上で欠かせない組織であるだけでなく、利用者の代表として運営委員会等により館の運営にも密接に関わっている。いわば、青年の館の一種の自治組織である。
他方、非登録グループは不定期で、閉鎖的な活動をするものが多い。少人数で寿命も短い“バブル(泡沫)的小集団”である。中にはグループ名も代表者もはっきりしないなど、ほとんどグループとしての体裁を成さないものもある。しかし、当館の門戸はできるだけ広く開放し、最低限の条件さえ満たしていれば積極的に受け入れている。多様化・個性化が進む現代青年は、こうした小集団を入口として集団活動に入る傾向が強くなっているが、社会性の発達や自己確立を促し、青少年の健全育成につなげるためには、なによりもまず青年を受け入れることが出発点となるからである。そして、指導・助言やグループ登録への誘導、広青連活動の支援などにより、交流促進や活動の高度化・社会化に導こうとしている。
■関係機関との連携を基礎に事業を再編成
開館30周年を機に、また、機構改革によって今年4月に生涯学習財団「広島市ひと・まちネットワーク」に加盟することも決定し、ここ2〜3年かけて主催事業全般の見直しも行っている。全体的に事業を精選し、量より質で勝負する事業への転換を図ると同時に、受け入れ事業を一層重視する方向に改めた。また、関係機関との事業、情報、利用など様々な形での連携を強化しようとしている。
関係機関との連携においては、専門施設のある分野は積極的に委ねることで競合関係から補完・協力関係への転換を目指す一方、当館は青少年教育の総合的中央施設として、ウチならではの事業に専念することにした。そして、民間カルチャー産業と競合する趣味・教養分野の教室や、各種国際交流機関と競合する語学教室は全て廃止し、平成6年度で32コースもあった教室を、平成9年度までに5分の1以下の6コースに削減した。また、交通・情報網の整備による日常生活圏の拡大、ボーダレス化や、それに伴う行政の広域化の現状を踏まえて、隣接の市町村と協力して市域を超える広域的な学習・交流機会の提供を図ることにした。広島市として広域都市圏形成を進めていることもあって、今年度初めて隣接の1町と共に実行委員会を育成・支援して定住化促進事業に取り組んだが、9年度はこれを周辺4町村に拡大する方向で協議を重ねている。この他にも、生涯学習関係機関やボランティア関係機関と連携して様々な共催事業に随時取り組んでいるほか、利用グループや主催事業などの学習情報の相互提供も進めている。

 

 

 

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